キャスト・機工課

二瓶 智寛 TOMOHIRO NIHEI

2014年入社

入社を決めた理由は?

学生の頃からものづくりが好きで、特に工業デザインのような機械的なデザインに興味がありました。大学ではプロダクトデザインを専攻し、デザインや設計、プログラミングを行い、3Dプリンターやレーザーカッターなどの機器を用いながら形に近づけていくといったことをしていました。
ジュエリーの会社からの「機械系の工学部」を対象とした求人だったので、最初は何だかよくわかりませんでしたが、仕事内容が大学で学んできたことに通じていましたので、ミキモト装身具では自分の興味ある仕事ができると思い入社を決めました。

あなたが担当している仕事を教えて下さい

私が所属しているキャスト機工課の仕事は、大きく「切削」「プレス」「キャスト」に分けられます。切削とは「削り出し」のことで、「金属の塊」を刃物や工具を備えた機械を使いながら削り出し、形にしていく加工方法です。「プレス」は板状の地金に圧力をかけて形成するもので、平面的な形状のデザインで数量を多く生産する際に使用しています。また、「キャスト」とは鋳造加工のことです。溶融した「金・銀・プラチナ」といった金属を型に流し込み、冷やして固めることで鋳物を製造しています。
これらの中でも、私が主に担当しているのは「切削」です。設計・プログラミングを行い、切削加工機を操作しながらジュエリーの部品を製作していきます。設計は3D/2Dで作成した図面を基にしながらNC(数値制御)機械用のプログラムを組み、X、Y、Zそれぞれの軸や工具の動き、回転数などすべてコンピュータ制御によって削り出すため、非常に精密な加工が可能となります。

「ジュエリー」と「切削加工機」、または「工作機械」というのは、あまり連想されない方が多いと思いますが、例えば、真珠のネックレスにはクラスプ(留め具)が付いており、ブローチのピン(針)やイヤリング・クリップにも、必ずジュエリーとしての機能的な役割が備わっています。つまり、ジュエリーを身につけるための(付け外しのための)機能があり、それらに必要な精度と機能を併せ持つ部品を作るために工作機械が必要となります。
ジュエリーは見た目の「華やかさ」ももちろん大切ですが、同時に脱着のための機能は万全でなければなりません。むしろ目立つように作ることはなく、部品加工はあまりクローズアップされることはありませんが、美しさと機能を兼ね備えた「機能美」を追求すべく、当社では切削加工機を活用した制作に取り組んでいます。

切削加工にはデメリットとして考えられる側面もあります。貴金属はとても高価な素材であるために、削り出された「切り屑」が100%回収できないと原価が跳ね上がってしまうことから、同業他社では敬遠されている加工方法です。ですが、当社では地金減りのリスクを取りながらも、手作りでは表現しきれない「精密さ」や「美しい出来栄え」を表現するために切削機械での製作を取り入れています。諸々の課題をクリアしながらも、従来のジュエリー制作とは違った方向からアプローチしていきたいと思っています。

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この仕事のやりがいは何ですか?

同業他社では、留め金やイヤリングポストなどの部品は外部の業者から仕入れているところが多いと聞いていますが、当社ではMIKIMOTOブランドの品質と信頼を守るため、イヤリング等の金具類も自社にて製作しています。外部の業者で大量生産された留め具や諸々の部品には、デザインが似通ったものが多く、また軽量化によって価格が抑えられたりしている反面、華奢なつくりのものがあったりと、豪華なジュエリーに対して金具が安っぽくなってしまうといったミスマッチが起こりやすくなります。
その点、当社のように1から10までを自社開発・自社生産している会社では、美しいデザインに合わせて金具類をいか様にも設計・製造することが可能なので、このような職場環境で働けることをとても嬉しく思います。
当初の想定どおりの形にならずに苦労することは多々ありますが、それでも試行錯誤しながら綺麗な形に近づけられたときや、設計・プログラミングから実加工までを自分が担い上手く形にできた時などは、過去の経験や失敗を積み重ねてきたことが良い形で反映できたということでもあるので、とても「やりがい」を感じる瞬間です。自社開発・自社生産をしている環境だからこそ味わうことのできる「ものづくりの醍醐味」だと思います。

私は現在、社内研修の一環として、細工や仕上げ工程といった手作業での仕事にも取り組んでいますので、今後は機械生産と手仕事の両方の良い部分を活かしながら、自分自身の技能を向上させていくとともに、当社ならではのジュエリーづくりに貢献していきたいと思っています。

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